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G・デ・パス、D・ドゥルビーノ、P・ロマッツィ共作のアームチェア「ブロウ」
Gionantan De Pas/Donato D'Urbino/Paolo Lomazzi
1967 |
価値観が大きく崩壊する1960年代後半、伝統的美意識を放棄し、既成のものを否定しようとする時代の雰囲気は、当時のデザイナーたちに大きな影響を与えた。
1967年になると、ジオナタン・デ・パス(1932〜91)、ドナト・ディ・ドゥルビーノ(1935〜)、パオロ・ロマッツィ(1936〜)などの若い建築家たちは、新しいポップ・カルチャーの流れを汲んだデザインが必要だと主張し始めた。
3人は活動当初から量産を想定した家具デザインやプロトタイプを作りながら、変形・移動が自由な低コスト家具の実現を模索していたが、新しい空気圧技術がこれを可能にした。彼らは、当時確立された空気注入建築の技術を応用し、空気で膨らませる実用家具を開発した。これがアームチェア「ブロウ」である。
この空気で膨らませる製品は、高価格でエリート意識をくすぐる保証書のついたものとは縁遠い。つまり、伝統的装飾家具の重々しさや素材からの完全な脱却を意味しているのである。量産は、ポリ塩化ビニール風船の継ぎ目を高周波電気溶接する技術により可能となった。
「ブロウ」は革新性が評価され、以降、次々と作品を打ち出していった彼らの記念的作品とった。
【素材】 透明または薄い色合いの、つや出ししたポリ塩化ビニール
100 DESIGNS 100 YEARS
20世紀を創ったモノたち
メル・バイヤーズ/アーレット・B・デスボンド
森屋 利夫/成澤 恒人
2000.05.05
株式会社アクシス |
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