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H・ドレイファスと共同製作者による「SX-70ランドカメラ」
Henry Dreyfuss
1972 |
エドウィン・H・ランド博士(1909〜91)は、G・ホイール=ライト。の研究を偏向膜に応用してポラロイド(polar-izer「偏光板」とcelluroid「フィルム」の合成語)を発明、1937年にポラロイド社を設立した。その技術は現在も顕微鏡、ランプ、サングラス、カメラに利用されている。最終的に533個の特許を取得したランド博士は、1943年にカメラとフィルムを一体化させたインスタントカメラを考案した。1948年、彼はこの最新技術の可能性を発展させて、世界初のインスタントカメラ「No.95」を市場に送り出した。当初、このシリーズは白黒写真しか撮ることができなかったが、1963年にカラー撮影が可能となった。1929年以来、ニューヨークで工業デザイン事務所を経営していたヘンリー・ドレイファス(1904〜72)は、「SX-70」開発当初からデザインチームに加わっていた。ポラロイド社の化学、素材、電子技術、光学、製造など、各分野の技術者たちと議論を重ね、毎日のようにカメラの形状を変えていった。その結果、2つの新技術、フィルムパックに電源を内蔵することでバッテリーエリアが不要となり、また、自動露出装置がファインダーの本体内蔵化を可能にしたことによってカメラの小型化に成功した。さらに、クロム被膜が安価で軽量なプラスチックボディの強度を高め、革張りのパネルがカメラに高級感を与えた。ドレイファスは、このプロジェクト完了後しばらくして、死期の近かった妻と心中した。
【素材】クロムメッキを施したプラスチック、皮革、金属部品、ガラス
100 DESIGNS 100 YEARS
20世紀を創ったモノたち
メル・バイヤーズ/アーレット・B・デスボンド
森屋 利夫/成澤 恒人
2000.05.05
株式会社アクシス |
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