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C・ソンタイマーのフードプロセッサー
Carl Sontheimer
1973 |
MIT出身の電子工学技術者で、料理を得意としていたカール・ソンタイマー(1914〜98)は、業務用調理器具を輸入するために、クイジナーツ社(後にクイジナート社)を設立した。1971年、ソンタイマー夫妻は、フランスの家庭用品展示会で、シェフのP・ヴェルドゥンが1963年に発明し、ロボッドクーぺ社が市場化権を持つ業務用の食材の下ごしらえ用マシンを目にした。同社はすでに、一般家庭向けの小型モデル、「マギミックス」を完成させていた。ソンタイマーは製品をそのまま輸入するのではなく、ヴェルドゥンからプロトタイプを買い取って、アメリカにおける独占販売権を取得し、改良する道を選んだ。彼はアメリカの安全基準をクリアするために、材料投入部分を長くし、刃の形状、ディスクを安全性の高いものに改良して、「フードプロセッサー」と名付けた。1973年1月、このフードプロセッサーはミキサーの4倍の価格140ドルで、シカゴ全米家庭用品展示会に出品されたが、ほとんど反響はなかった。ソンタイマーはディスクと刃にさらなる改良を加え、シェフたちの前でデモンストレーションを行ったところ高い評価を得て、それが料理ジャーナリストたちを動かすことにつながった。月に数台であった売り上げはじわじわと上がりはじめ、数百台が売れるようになる。1977年のクリスマスシーズンには製品出荷が間に合わず、アメリカ各地の小売店には予約注文が殺到するほど人気を博した。1988年にソンタイマーは会社を投資会社に売却、1989年、コンエア社がこれを買収した。
【素材】プラスチック、スチール、その他金属部品
100 DESIGNS 100 YEARS
20世紀を創ったモノたち
メル・バイヤーズ/アーレット・B・デスボンド
森屋 利夫/成澤 恒人
2000.05.05
株式会社アクシス |
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