H・マイヤー=アイヘンのボウル「フォークス」
Hansjerg Maier-Aichen
1997

042 ハンス・マイヤ=アイヘン(1940〜)はドイツでインテリアデザインと絵画を学び、シカゴ大学で修士を取得した。教職を歴任した後、ドイツでアーティプレゼント社のマネージング・ディレクターになった。そこでデザイン・ビジネスに練達し、デザイン感性を磨いたマイヤー=アイヘンは1980年アーティプレゼント社ブランド、オーセンティクスを作った。90年代には再利用のポリプロピレンでキッチン・バスルーム用品を生産し、そのブランド製品は雑貨市場でめざましい業績を上げ、プラスチックを、木材や金属など従来の素材の代替品としてではなく、価値のある素材として認知させた。ユーザ=は、地球環境を考え、再利用が可能なこのポリプロピレンに夢を託したのである。一連のポロプロピレン製品が成功を収めたのは、マイヤー=アイヘンをはじめ、想像力をかき立てる製品を自由に創造したフリーランスデザイナーたちによる共同作業の賜物である。中には、ゴミ袋やボウル「フォークス」のようにそのまま使う製品もあるが、分解すると歯ブラシになるカップといったアイデア商品、リング状の石鹸を掛ける壁用ノブといった楽しい商品も作られた。結局、ガラス器や家具が生産ラインに加えられたが、半透明のポリプロピレンの美しい色がこのコレクションの大きな特徴である。おびただしい数のコピー商品の存在がこの作品の素晴らしさを実証している。

【素材】熱形成ポリエチレン
 

100 DESIGNS 100 YEARS
20世紀を創ったモノたち
メル・バイヤーズ/アーレット・B・デスボンド
森屋 利夫/成澤 恒人
2000.05.05
株式会社アクシス