眠れナイト

荻野 沙理

作者によるコメント

人は、体が眠っているのに脳が起きている、いわば浅い眠りであるレム睡眠の最中に夢を見ると言われている。しかし眠りから覚めると大半の夢の内容は忘れてしまっているもの。もしかしたら、夢の中では、ものすごい冒険をしているかも、或いは、素晴らしい光景を目にしているかも。真相は、夢の中の自分だけが知っている。夢に、思いを馳せてみる。今晩はどんな夢が見れるのか、眠れ、ナイト!

担当教員によるコメント

ライト&ポップな作風で現実と幻想(夢)の行き来をモチーフにしたアニメーション作品を作り続けてきた作者の真骨頂。そのタイトルも洒落っ気を効かせ「眠れない夜」すなわち「眠れナイト」(笑)。そんなポップな作者の感性が溶け出た愉快なシュールレアリスティック・アドベンチャーだ。主人公が寝付けないでいるとベッドに陥没してしまい、次から次へと異世界に投げ出されていく。言うなれば起きたまま夢に直行という展開である。キャラクターや背景はとてもシンプルなラインで描かれているが、全編通じてとても色彩豊かに独自のワールドが展開する。まさにタマグラアニメの十八番、動くイラストレーションである。音楽もとても気持ちよく、その浮遊感はあたかも夢心地。

准教授・野村 辰寿