仮死蔵

國武 美久

作者によるコメント

電子書籍が普及した今、紙とインクによる本の価値を見直したい。この建築は”仮死状態”の本のためであり、未来へ向けて人間の知を継承するためのプロジェクトである。

担当教員によるコメント

紙ベースの「本」と電子書籍。電子書籍の可能性を疑っているわけではないし、紙での出版が消えゆくことを予言している訳ではないのだが、「死」という文字に引っ張られ、ミスリードされることにも驚いた。仮死と死の違いはとてつもなく大きいはずなのに。デジタル、アナログの保存の優劣に踏み込むことなく、デジタルでの利便性と、文字通りの「原本」を破棄できないことを前向きに考えた作品だ。

教授・松澤 穣