諸山家3年後計画

諸山 朗

作者によるコメント

田舎に収まりたくない母と、年をとってしまった祖父母のために長崎県島原市にある家をリノベーション。子どもが集まるロバのいる家で、諸山家解散の危機を乗り越えます。

担当教員によるコメント

「三年後の諸山家」といったタイトルの通り、実家のリノベーション計画である。現在東京暮らしであるが、祖父母が暮らす長崎県の実家に両親が里帰りすると?といった家族の話題を計画した作品である。両親をクライアントに想定した、ある種“現実的な提案”ということが興味深く、説得力のある内容になっている。母親からは「ロバを飼育する」といった破天荒な要望が飛び出し、昼は「駄菓子屋」夜は「映画館」と、楽しい要望が目白押しである。地域に開いた実家は、内廊下と外廊下を意識的に通すことで、室内外を楽しく回遊できる。空間デザイン料は無料、予算設定も無し、要望も言いたい放題に、将来の夢物語が広がった。住宅設計とは “人生設計”であることを体現する作品となった。

准教授・米谷 ひろし