Flat

西原 海

作者によるコメント

1枚の平面を1本の柱に乗せるだけで、最小限の要素で空間を構成した。不安定さにより揺らぎが生じることで、日常では目に見えない“時間”と“重力”を可視化した。

担当教員によるコメント

「重力のバランス」をテーマにした空間作品。空間要素の「床・壁・天井」の中でも、とりわけ天井(屋根)については長年様々な試行錯誤が繰り返されてきた。キャンプ用テントから巨大なスタジアムまで、屋根(天井)は重力との折り合いをどうつけるのか、その時代を象徴するような構造や素材が用いられてきた。一本の棒に平板がバランスを取って「空中に浮遊しないか」といった極めてシンプルなイメージから挑戦は始まった。素材として着目したのは身近な「紙」だった。あたかも重力を無視したかのような縮尺模型が、そのまま原寸になったような、そんな不思議な現物は見るものを引き付けた。幼い頃に想像したような世界をリアルスケールで体現してみせた。

准教授・米谷 ひろし