高速道路の逆走事故を防ぐ

徳本 晃子

作者によるコメント

近年、社会問題の1つとして国民の関心を集めている「逆走事故」。中でも、高速道路での逆走は致死率が非常に高くなります。認知症を患った高齢者による事故の印象が強いですが、高速道路の走行に慣れていない10〜20代の初心者ドライバーや、運転慣れによる油断から誤って逆走をする30〜50代ドライバーも存在します。現状の対策は「逆走を防ぐ」のみで、「逆走をした場合に事故を起こさない対策」が取られていません。逆走を未然に防ぐ対策から、逆走後の事故を防ぐ対策まで、4段階に分けて守る対策を提案します。

担当教員によるコメント

すでに超高齢化社会の日本では、アクセルとブレーキの踏み間違いや高速道路の逆走でおこる事故のニュースが目立つようになった。この提案は、まず順走している場合の高速道路の風景をデザインし、さらに逆走してしまった場合の解決策を段階的に用意している。人のおこすエラーは1回で解決しないかもしれないから何度も救う。逆走してしまった人の心理を考慮したデザインでパニックを起こさせずに誘導し、安全に待避場所に避難させる仕組みを複数のデザインの組み合わせによって試みている。問題解決のための全体を見渡す力と、細部にわたる観察力を評価した。

教授・大橋 由三子