月面枯山水
黒石 閑
作者によるコメント
月面上にロボットによって施工する枯山水の計画。円形の庭中央の着陸船が、地球を借景とした枯山水の光景を地球へ映像として送る。1969年のアポロ11号の着陸から半世紀が経った現代でも、宇宙開発において月面基地は常に掲げられる大きな目標だが、それは未だ遠い目標である。居住空間の建築という高度な施工に向けた中間の目標として行う、比較的簡易的な施工実験として計画した。
担当教員によるコメント
月への憧れは人類の永遠のテーマであり、決して国単位の争いの対象ではない。地球を飛び出したこの作品の月への想いは、環境問題や何万年か重ねられた人類の文明・文化ですら地域や国の枠ごとに価値観も変貌し、時に争う対象となっていることにさえ簡単に気づかせてくれた。月面枯山水は洒脱を超えて、日本人による作庭の一石を「地(地球)に乞う」姿からさらに「宇宙に乞う」大きなテーマが潜んでいる。壮大なテーマを支えるユニークで魅力的なデザインのエレメントが作品中に多彩にちりばめられている。作庭の精緻なロボットや着陸船のディテールまで見落とすこと無く堪能いただき、地上にて太陽から二つの場所に降り注ぐ光の幻想空間をゆっくりと鑑賞いただきたい。
非常勤講師・内原 智史
作品動画
- 作品名月面枯山水
- 作家名黒石 閑
- 作品情報宇宙計画・作庭・ロボットデザイン・インスタレーション
計画地:月,エピゲネス(クレーター)中央付近,φ17.5m
https://kuronodium.github.io/zen-garden-on-the-moon/ - 学科・専攻・コース
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