OSMOS

中武 薫平

作者によるコメント

違和感とは発見である。
「あいまいな境目」が持つ心地よい違和感は見た人の好奇心を呼び起こし、さらなる発見へとつながる。生活の中に滲んでいる違和感を見落とさぬよう、1つずつすくい上げることが日常を非日常へと変えてゆく。
由来【osmosis】[名]:浸透、影響すること

担当教員によるコメント

「あいまいな境目」という感性的キーワードから発想に挑んだ作品です。モノが持つ素材間に境界線が無い状態、またそれが持つ意味性に境界が無い状態を具現化し、新たな価値観を創造しています。技法として素材含浸を行い、そのモノとして十分に機能する状態にまで仕上げた事は、度重なる試作と異常なまでの素材探求が導いた結果だと、高く評価している。スツール、帽子、スニーカーを具体的な作品として提案しているが、これらのモノの位置付けも「あいまい」であり、新たなカテゴリーとして定義化できるとすら感じる。日常、何気なくモノと接している中での“違和感”をブランドコンセプトにする着眼力は、今後のクリエイティブ活動のトリガーになったと期待する。

教授・中田 希佳

  • 作品名
    OSMOS
  • 作家名
    中武 薫平
  • 作品情報
    技法・素材:PlaRain、FRP樹脂、靴紐、シリコン、ウール
    サイズ:HAZY SEAT=H500×W350×D350mm、caris -14-=H60×W290×D80mm、FADED HEAD=H140×W200×D300mm
  • 学科・専攻・コース