意気揚々

坂口 美月

作者によるコメント

一番の見どころは顔の表情、特に口元です。私は大学三年次から動物のお茶目な表情に着目して作品を制作してきました。今回はその集大成として自身の飼っている犬をモチーフに、散歩中に舌をベロンと出してウキウキと笑顔でこちらを見ながら歩いている様子を表現しています。

担当教員によるコメント

本作品『意気揚々』は、主に銅板を鍛金技法である鎚起・絞り技法と接合技法(TIG溶接)を駆使して制作した立体造形作品である。モチーフとなった「飼い犬」は作者にとって身近な存在であり、その表情と動作から感情を知りお互いを感じ取っている様をどことなくコミカルなその佇まいで表現したものである。
これまでも同様のテーマによる「人間の様な表情を浮かべる動物」作品群を制作した中で様々な技法や表情の研究の経験は、本作『意気揚々』制作に必要な準備段階として作品制作の計画性と丁寧な作業に現れている。それは、卒業制作の一つの作品としての評価だけでなく、金属工芸技法による造形作品研究としても高く評価で出来るものである。

教授・手銭 吾郎

  • 作品名
    意気揚々
  • 作家名
    坂口 美月
  • 作品情報
    技法・素材:銅、錫粉、酢酸第二鉄
    サイズ:H760×W900×D510mm
  • 学科・専攻・コース