Tiling Animation

吉田 健吾

作者によるコメント

Tiling Animationとは、小さな映像の集合からなる映像です。
タイル貼り・平面充填の要領で、小さい映像を敷き詰めることで映像を制作しようという試みです。
それぞれが接続する子映像を1~数種類を用意し、それらを並べることで、単体からは想像できない動き・まとまりが生まれます。隣り合った子映像同士が関わりあうことで、シンプルな構造から複雑な表情が生まれます。

担当教員によるコメント

平面を1~数種類の限られたパターンで充填する「タイリング/平面充填」には数々の手法の歴史があるが、吉田は新たにそこに時間軸を導入した「動きのタイリング」を発案し、その具体的な可能性を模索した。数多くの試作を通じて「単純な動き同士の空間的・時間的な隣接関係から、いかにして予定調和を超えた偶然性を生み出し、複雑で豊かな様相を創り出すか」といった価値軸へと徐々に収斂していったように思う。その結果として最終展示に残ったのは、どこか素朴さを湛えつつも、何故かじっと眺め続けてしまう、スルメのようなタイリング・アニメーション群だった。
作品は一定の完成度に達しつつも、まだまだ掘り起こす可能性を備えたテーマであると感じた。今後の更なる探究を望む。

教授・中村 勇吾