Something that doesn't last forever
村田 和音
担当教員によるコメント
箔押しした空間を広々と残し、地を這うように乱舞する蝶の一群を画面下部すれすれに描いた大胆な構図。よく見ると、浮遊する蝶は無数の赤い糸で操り人形のように繋がれている。張られた糸は宙を斜めに走り、何かに抗っていることを暗示する。儚い生命(いのち)が懸命に飛翔しつづける劇的な場面。全ての存在に終わりがある事を、観る者は悟らざるを得ないのか。古来蝶は、人の魂の象徴として描かれ、再生や復活のイメージとつながっている。限りある生命を一方で受け入れつつ、それでも永遠を願う村田の静かな祈りが、この作品に込められている。
教授・武田 州左
- 作品名Something that doesn't last forever
- 作家名村田 和音
- 作品情報技法・素材:アートクロス、岩絵具、銀箔、刺繍糸
サイズ:H2100×W3660mm - 学科・専攻・コース
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