Repeat

石田 百合香

担当教員によるコメント

森羅万象、繰り返すことをパターンと呼ぶ。ところが、どのように繰り返せば心地よいのか、意外に難しい。シンメトリーや空間充填という歴史的な繰り返しの定義があり、石田さんは空間充填を選んだ。この方法はプラトン幾何とも呼ばれ、古来より哲学的な連続性の真理である。従って、自分のものにするには根気と閃きの両面が必要だ。「パターンについて改めて見つめ直し、繰り返しのおもしろさを伝えたい」と彼女が言う通り、3年次より色彩の法則も鑑み、改めて考え制作した。なんの変哲もないと感じるのは、基本的な命題がそこにあるから。今回の作品群は、長い努力の末に自分のものに近づけたのではないだろうか。今後の研究手法にもよるが、一生掛けて取り組みたい深遠なテーマだと思う。

教授・髙橋 正