あくびロトスコープ
宮﨑 菜奈
作者によるコメント
お掃除ロボットのルンバが「かわいい」「ペットみたい」などと評されているのは、見た目からではなく動きによる。そういった動きによる生物性(アニマシー)を身の回りにある物に宿してみたかった。ロトスコープの技法を応用したやり方を考え、人のあくびの動きを物の動きに変換し、その物なりのあくびという形で再現した。
担当教員によるコメント
宮﨑菜奈は、どうすれば身の回りの事物にアニマシー(生物性)を持たせられるかということを研究テーマとしてきた。動きによって生き物らしさを獲得するため、物理的に操作する手法を含め様々な表現手法を模索する中、ロトスコープという実写から動きを抽出するアニメーション技法にたどり着いた。丁寧な動作解析から変化量を取り出すことにより、呼吸器を持たないハサミ、扇子、窓、ライトといった物たちがそれぞれの方法であくびをし続ける、静謐な表現となっている。本人は「動作が分かりやすい」とその理由を述べていたが、生物が不随意にとってしまう「あくび」という行動を生物を表現するのに相応しいと判断したところに、宮﨑の問題を解決する糸口を直感的に掴んでしまう能力が現れている。
教授・中村 勇吾、講師・菅 俊一
- 作品名あくびロトスコープ
- 作家名宮﨑 菜奈
- 作品情報映像(本映像=2分28秒/説明映像=1分45秒)
技法・素材:コマ撮り - 学科・専攻・コース
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