しいの木とわたし

藤木 志保

担当教員によるコメント

藤木は、昔からよく住宅に使われていた型板ガラスに、大学に入学する前から注目していた。卒業作品「しいの木とわたし」は、生家の椎の木をモチーフに古い引き戸を使い、スランプ技法によって独自の型板ガラスを制作した。椎の実や葉っぱを型取りし、板ガラスに熱を加える事で型の形を拾ったガラスは無機質な板ガラスに豊かな表情を生み出した。これまでの試行錯誤で得られた多くのデーターは、これからの藤木の仕事に必ず生かされるであろう。今後、住空間を意識したガラス造形の新たな挑戦と魅力的な作品をつくり続けてもらいたいと願う。

教授・池本 一三