茶道具のかたち
加藤 千明
作者によるコメント
茶道は敷居が高くて手が出しにくい。けれども、茶道具という見た目の美しさ、面白さからなら興味を持てるのではないかと思い、ポスターと本を制作しました。季節や流派によって変わる茶道具を、紙版画を使ったグラフィックで表現しています。ポスターは余分な説明などは入れず道具に目がいくようにし、本はポスターを見た人がもっと知りたいと思った時に手にとれるように詳しい説明を入れました。
担当教員によるコメント
デザインにおいても、その作品が人に興味を持たれ、見た人の心を動かすことができるどうかが最も大切なことです。扱われているテーマやモチーフは、新しいものでも古くからあるものでも構わないのです。それをどのように料理して、同時代の人に伝えるかが問われます。加藤さんの実家に茶道具があったのが、制作のきっかけになったと聴いています。茶道具の人間的で独特の形や質感に興味を持った加藤さんは、ひとつひとつ違う茶道具の豊かな表情をグラフィックデザイン化しました。画一的でないことの魅力、人間の手が作り出す表情こそ、デジタル時代への警鐘として、今後も探求されるべきなのではないか、日本文化の価値はまさにここにあるのではないか。作品を見ながら考えているうちに、自分がこの作品に惹かれていることに気づきました。
教授・山形 季央
- 作品名茶道具のかたち
- 作家名加藤 千明
- 作品情報ジェネラルデザイン
技法・素材:ポスター=紙、版画用水彩具、Photoshop、デジタル出力/本=紙、版画用水彩具、InDesign、デジタル出力
サイズ:ポスター=H1030×W728mm(8点)/本=H300×W300mm(1点) - 学科・専攻・コース
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