a friend in the memories

野村 結

作者によるコメント

主人公のブルーノは体の色が違う少年と出会った。すぐに打ち解け毎日一緒に遊んでいたが、街には不穏なポスターが増えていった。ある日街角で騒ぎが起こり、ブルーノが駆けつけると、少年と同じ色の人々が、ブルーノと同じ色の大人たちに取り囲まれていた...。戦争と子供をテーマにした2人の少年の物語を、ダンボールを1枚1枚置き換えて撮影するコマ撮りアニメーションで表現した作品です。

担当教員によるコメント

今も世界のどこかで起こっている出来事。人間が繰り返して来た悲劇。「戦争と子供」というテーマに正面から向き合った渾身の作。人種差別、民族紛争、宗教戦争など、ますます嫌な流れを感じる昨今だが、こんな時に作り手に何ができるのか?10分足らずのアニメーションで何が語れるのか?作者はその答えとして、描き続けてきたかわいいライオンのキャラクターを使って、想いを込めた重厚な作品を完成させたのである。それも描いた動画を元にダンボールを切り抜いて着色して置き換えて撮影するという気の遠くなるような行程の手法で。物語は決してハッピーエンドではない。しかしラストシーンで憎しみの連鎖を断ち切るためにこの物語の登場人物がとった行動こそ作者のメッセージそのものだ。

教授・野村 辰寿

  • 作品名
    a friend in the memories
  • 作家名
    野村 結
  • 作品情報
    アニメーション(8分45秒)
    技法・素材:段ボール、紙、ペン、アクリルガッシュ
    After Effects、Illustrator、Photoshop、Dragonframe
  • 学科・専攻・コース