シャワーカーテン, 脂
入江 美波
担当教員によるコメント
入江さんが選ぶモチーフは、汚いもの、不快なもの、プライベートなものが多い。卒業制作では豚の脂を描き、もう一点は自宅のバスルームのシャワーカーテンに生えたカビを描いた。過去にはカップの飲み口にしみついた茶渋、一本だけ変色した自分の前歯などを描いた。モチーフの気持ち悪さに反して、丁寧な塗りやシンプルな構成によって画面から醸し出される空気感は非常に清潔で、スキがなく澄んでいる。モチーフと空気感のギャップが作品の魅力の一要因だと思う。卒業制作の「シャワーカーテン」は、独特の視点でシャワーカーテンのカビに着目し、焦点を曖昧なままにぼかしながら、丹念に時間をかけて油彩で描き込むことによって、非常に印象深い作品になった。
講師・日野 之彦
- 作品名シャワーカーテン, 脂
- 作家名入江 美波
- 作品情報『シャワーカーテン』
技法・素材:キャンバス、油彩
寸法:H1303×W1620mm
『脂』
技法・素材:キャンバス、油彩
寸法:H1818×W2773mm - 学科・専攻・コース
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