裏面

加藤 大樹

作者によるコメント

昼間賑やかな公園も、日が沈み辺りが暗闇に包まれると普段見せない一面が垣間見える。昼間とは対照的に静寂を放つその風景は、非日常的でどこか異空間のような雰囲気を感じる。そういった夜の公園の持つ不思議で神秘的な表情を、昼間とは別次元の異空間にあるかのように写真に収めることで表現した。その際、写真作品という大前提を踏襲しつつ、新たな表現を求めてより自分の思う夜の公園に近づける為、後加工を積極的に行なった。

担当教員によるコメント

加藤大樹君は非日常的で神秘的な世界を写真で表現したいという欲求が初めからあった。神秘世界とは対極にある日常的な公園空間を被写体に選びたいと聞いて、大賛成だった。あまり細かいアドバイスはせず、思い切り自由に制作出来るよう心掛けた。新しい写真表現に挑戦したいという本人の意欲から、後処理加工を積極的に行うこと、画面比率を通常の3:4から1:2以上の縦長比率を薦めた。空の面積を大きくとり、月の満ち欠けを加えたことで作品に興味深い要素が更に増えた。限られた機械、ソフトながら、ディティールに至るまで完成度の高い新しい写真世界が誕生した。

教授・十文字 美信