Ghost Grotesque
關谷 凪保
作者によるコメント
Ghost Grotesqueは、トラヤヌス帝碑文に基づいてデザインされたサンセリフ書体である。碑文の骨格を調整・再構成し、本文用としての用途を目指した。均一な線のMonoline、字画に抑揚がついたStressed、緩やかな曲線で構成されたGlyphicの3スタイルを制作し、ファミリーを展開した。
担当教員によるコメント
2世紀のローマに建てられたトラヤヌス帝記念柱の基壇部に刻まれた碑文の書体は、現代に残る美しいローマン体活字の起源といえるが、同時に20世紀サンセリフ体活字の出発点でもある。エドワード・ジョンストンによって抽出された骨格がロンドン交通局のCI書体として生まれ変わり、Gill Sansなどの近代的なベストセラー書体に受け継がれた。
本作品はそうした古典的な碑文書体にあらためて注目し、サンセリフ体の特徴である均一な字画をもった「モノライン」、縦横の字画に抑揚をつけた「ストレスド」、字画を緩やかな曲線で構成する「グリフィック」の3種を同じ骨格のもとに完成した。本来は異なる「ファミリー」に分類されるはずの境界を超えた、いわゆる「スーパーファミリー」の提案である。
非常勤講師・山本 政幸
- 作品名Ghost Grotesque
- 作家名關谷 凪保
- 作品情報タイポグラフィ
技法・素材:Illustrator、Photoshop、Glyphs、InDesign
サイズ:書体見本帳 H420×W300mm - 学科・専攻・コース
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