庭/Niwa '24
黄地 香の子
作者によるコメント
「枯山水」は、日本古来の磐座(いわくら)信仰と大陸より渡ってきた禅の思想とが融合し発展した庭園様式である。
この庭園様式は水を引かずに岩と白砂で描く紋様、植栽のみで神仙山水世界を表現するもので、禅宗においては自然世界と自らの存在とを一体視し、無であるべき自身を体感する瞑想のための装置でもあった。
水は心や感情、無意識といった精神性の象徴でもある。画材の殆どを自然素材でまかなう日本画の表現において岩絵具の発色のむらや垂れ、溜まりやひび割れといった現象は、湿度や展材の水分量を通した岩絵具自身による身体表現である。それらは岩絵具(自然)と私、それぞれの心のあわいの、自らの表出と呼べるのではないだろうか。
担当教員によるコメント
縦長の画面には枯山水をモチーフに俯瞰した庭園模様と上から下に流れ落ちる水の表現がされてい
る。組石に落ちた水は奥行きを伴う線描で描かれるがその後平面の模様に戻っていく。
東洋思想史や自然観に興味を持ちそれらを柱にして展開したことが作品として成功していると思
います。その背後にある自然観を注意深く読み取ることが必要になりますが画材を含めて非常に
簡潔であるため洗練された完成品を見ている印象もあります。整理されることで抜け落ちてしま
うものがあってそのバランスが本人にとっても悩ましいところかと思います。簡潔に見えて実はそ
うでないもの、これからも方法論に陥ることなく経験することを栄養にして身一点に感じること
や作品をどう表現させるのかを追求してほしいと思います。大いに期待しています。
教授・加藤 良造
- 作品名庭/Niwa '24
- 作家名黄地 香の子
- 素材・技法岩絵具、胡粉、雲肌麻紙
- サイズ4050×1680mm
- 学科・専攻・コース
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- 担当教員

