令和島:ゴミの埋立地から風景へ
鄭 麗盈
作者によるコメント
フランスのデザイナー、ジル・クレモンは、植物の変化を通じてデザインを進め、人工的なものと植物の柔らかさを対比させた表現が特徴です。私たちは彼のアプローチに共感し、人工と植物の美を表現したデザインを提案しました。
公園の整備は、現地の配置を基に行われ、広々とした視界が保たれます。非日常的なスケールは、ここを訪れる人々に、人間中心ではなく機械と便利な輸送システムが主体となっている世界に身を置いていることを思い起こさせます。人々がこの場所で違和感を覚えるのは、実際には東京の1400万人の生活の一部を支える一端であり、私たちの現実の一部でもあります。
都市の廃棄物埋立地を、工業遺産と植物の対話の舞台に変え、時間と共生の不確実性によってもたらされる風景の変化を感じることを強調します。
担当教員によるコメント
令和島と呼ばれる東京湾の1平方キロにも及ぶ広大な場所を敷地として選択した。スケールの大きなランドスケープデザインに敢えてチャレンジしたのは、そこが全てを人の手によって作られた場所であるからだ。彼女は植物の変化と人工との対比に注目し作庭したフランスのガーデナーであるジル・クレマンの考え方に共感しこの壮大なプロジェクトを発想する。現在の土地利用の持つ機能的で機械的な構造、巨大なガントリークレーンなどそこにあるものを活かして壮大な樹林と草原、都市へ「風」を導く仕組みをデザインに取り入れ、人を含めた生き物の居場所と新しい都市の風景を創出した。
教授・吉村 純一
- 作品名令和島:ゴミの埋立地から風景へ
- 作家名鄭 麗盈
- 素材・技法素材=スチレンペーパー、角材、かすみ草、カラーケント紙
- サイズ平面図=H1475×W1190mm
- ジャンルインスタレーション・図面
- その他作品情報計画地:東京都大田区令和島
模型スケール:1/500 - 学科・専攻・コース
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- 担当教員