ロジネットワーク
杜 蓉蓉
作者によるコメント
都市空間における空地の構造や自然環境におけるランドスケープなどの視点から土地に潜在する秩序を炙り出し、今回は京都島を対象に、こうしたコンテクストと人の集まり方に呼応した場の構築との関係性を探り、「ろじ」ネットワークによる町の再生プロセスの提案しました。
京島は、職住宅が集り、町工場がたくさん存在している町です。空家になった1階の工場を町に開き、共同作業・作品展示の場に変わり、町の中で取り壊された壁を新しい壁に再構築することで、町の雰囲気を記録します。
これから町中の工場、住民が変わっても、いつも工場と共に、住民と共に、町と共に変化できる路地的なコモンズがあります。
そして、一本、二本、路地的なコモンズをどんどん増えていって、ネットワークのように、町の人たちを繋げっていくことを望みます。
担当教員によるコメント
都市は自然の一部なのか?自然というと「手つかずの自然」を想像してしまいますが、「地球上に手つかずの自然は存在しない」と指摘する本もあります(「自然」という幻想/エマ・マリス著)。トウ ロンロンさんの作品は、都市と自然の二項対立を超えた新たな視点を与えてくれます。自然界の攪乱(かくらん)は、長い時間の中で破壊と再生のプロセスを繰り返すことで、結果的に生態系の健全性と多様性を維持する役割を果たしています。同様のプロセスが都市にもあるという見立てです。対象地は墨田区京島。かつては海であった場所。人が住むようになってから起きた地震、火事、戦争、バブル、空家・空地問題等の出来事も攪乱というキーワードからとらえると新たな地平としての都市像が浮かびあがります。研究テーマとしては、ほんの序の口ですが、更なる探求を期待します。
准教授・田嶋 豊
- 作品名ロジネットワーク
- 作家名杜 蓉蓉
- 素材・技法素材=画用紙、マット紙
- サイズ模型=H350×W1782×D841mm
- ジャンル都市計画
- その他作品情報計画地:東京都墨田区京島
模型スケール:1/200 - 学科・専攻・コース
- カテゴリー
- 担当教員