私の図面
時任 結菜
作者によるコメント
これは、図面の作品化である。
これまで制作してきた図面や模型、パースはどれも代替物に過ぎない。
しかし、私はこれまで私が制作してきたものたちを自身の作品であると捉えてきた。
図面を新たな視点で捉え、書くのではなく
図面を 作る こととした。
刺繍は、一本の線を一気に引くことはできず息継ぎの繰り返しで線が完成されてゆく。
線の集積である図面をさらに細分化しそれらを刻みながら作り上げていく行為はこの図面を私の作品であると思わせた。
緊張感は残りつつも、糸の暖かさや繊細さが表れる
これが私の図面だ。
担当教員によるコメント
この作品は、図面を構成する「線」に着目し、電子信号という実態の無い画像の線ではなく、身体性を伴った物質としての線への徹底したこだわりによって、新しい視点を示した点にユニークさがある。この作品の線は、細い糸が刺繍されたものである。線の始点から終点へ、一目ごとに、ミリ単位で刺繍されていく。裏面が魅力的で、息遣いが、そのまま縫い目となってその場に定着している様子が読み取れる。それは、身振りと意識の軌跡であり、通常の見慣れた図面には見えない感覚を 見る側にも追体験させる。これは、まさに新しい体験をもたらし、図面表現の可能性を引き出している。
教授・湯澤 幸子
- 作品名私の図面
- 作家名時任 結菜
- 素材・技法素材=防炎クロス・刺繍糸
技法=刺繍 - サイズキャプション=H559×W1800mm/配置図=H1118×W1300mm/平面図=H1118×W1800mm/断面図=H1118×W1000mm
- ジャンルインスタレーション・図面
- その他作品情報手縫い
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- 担当教員