PET AND WOOD CHAIR

中里 文乃

作者によるコメント

「熱を加えることで収縮し形状を記憶する」というペットボトルの特性を活かし、木材を簡単に接合・分解できるジョイントの仕組みを考えた。
そしてそのジョイントをリートフェルトのレッドアンドブルーチェアに落とし込み、DIYでありながらも過去のものを学び、デザインの広がりを楽しめる家具の制作を試みた。
「液体を入れるためだけの容器」から「木材をつなぎ留め、私たちの体を支える」という新しい価値が付与されたことにより、人々の生活を支え、長く愛される家具の姿へと生まれ変わった。
誰もが手に入れられる身近な素材であり、本来であれば形を変えてリサイクルされるペットボトルにそのままの姿で新しい価値を提案する。

担当教員によるコメント

「ペットボトル素材を熱すると収縮する」といった性質に着目したDIY家具の提案である。DIYとしたことで、作品がシェアできるといった提案であるにも関わらず、作品としての固有性を示したことが評価されたと思う。相当数の試作検討を繰り返し、最終的なカタチに落とし込んだのは、リートフェルトのレッドアンドブルーチェアである。ありきたりな合板とペットボトルのジョイントの最適解から生まれた椅子は、健全なリ・デザインを示しているようにみえる。名作家具の面影そのままに、緻密に吟味されたDIY家具は、時代をこえて名作家具をかろやかに再生している。

教授・米谷 ひろし

  • 作品名
    PET AND WOOD CHAIR
  • 作家名
    中里 文乃
  • 素材・技法
    素材=ペットボトル、シナ合板
    技法=ペットボトルの熱収縮
  • サイズ
    作品①=H874×W630×D610mm/作品②=H488×W400×D400mm/什器=H488×W1800×D610mm
  • ジャンル
    家具
  • 学科・専攻・コース
  • 担当教員