Stay Close

本田 日向子

作者によるコメント

本作品は、二人がけの木製ベンチとぬいぐるみ様の「物」で構成される、体験型のインスタレーションです。ベンチの片側に「物」が座っており、もう片側に体験者が座ることができます。ベンチに座ったり、「物」に触れたりすることで、ベンチを取り巻く環境に光や音の変化が起こります。

私たちは、物(物体、物品)に対し、実際には存在しないはずの感情を空想、共感することがあります。私は、この心理を「自己の想いを物に投影する営み」であると解釈しました。本作品では、そのような感情の空想と共感を通じて、体験者自身の感情に安心感や充実感を与えることを試みています。「物」に寄り添い、共に過ごすことで、心あたたかな時間を過ごしていただければ幸いです。

担当教員によるコメント

本作品は「寄り添う」ということをテーマにした体験型空間演出展示である。
二人がけのベンチと一見何かわからないぬいぐるみのようなモノがベンチの片側に座っているという
とこから体験の物語が始まる。ベンチのぬいぐるみの横にすわり、ぬいぐるみを見ると、なんとぬいぐるみは、目らしきところがほのかに光っている。気になってぬいぐるみを触ると変化がおきる。その変化は静かであり、心地よく安心のある気持になる。モノには感情はないが、人が、感情を移入することで様々な体験が生まれることに気づかされる作品となっている。本作品のぬいぐるみもベンチも映像もすべて作者が試行錯誤を繰り返しながら、こつこつ制作したものであり、卒業制作の集大成の成果となっている。

教授・楠 房子

  • 作品名
    Stay Close
  • 作家名
    本田 日向子
  • 素材・技法
    木材、布、電子部品、アルミフレーム、プロジェクター、スピーカー、Mac mini、Arduino、TouchDesigner
  • サイズ
    可変(立体物 H790×W780×D380mm)
  • ジャンル
    インスタレーション
  • 学科・専攻・コース
  • 担当教員