nichijo
松崎 紋佳
作者によるコメント
私の親戚に、ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病を抱えた叔母がいました。叔母は、おしゃれが好きな人でした。
入院をすることでおしゃれができなくなってしまう現状を目の当たりにした際、叔母以外にもおしゃれを楽しみたいけれど、自分の着たいものより着やすさを重視しなければならない状況の方が多いのではないかという気づきがありました。心理的負担が多い入院生活だからこそ、日常と同じように快適に過ごし、少しでも病気を忘れられる瞬間が必要なのではないでしょうか。自分好みにカスタマイズし、オシャレを取り入れることで、生きる活力と意欲向上につなげたいという思いから、病院着をはじめとしたブランド「nichijo」が生まれました。
担当教員によるコメント
「nichijo」この作品名に作者の松崎紋佳の想いは集約されている。入院生活という非日常の生活を如何に日常のように過ごしてもらえるか? その「問い」がこの卒制のスタートとなった。相手の状況を知るために松崎は多くのリサーチを行う。それはインタビューでは言葉にできなかった本当の気持ちを見つけるためでもあった。その結果、女性ならではの気づきからの病院着のアイデアが生まれる。しかしJust IdeaはJust Designではない。モノとしてのクォリティを上げるために何度も試作を繰り返す。その途中でこんなモノもあったらと新しいアイテムのアイデアが生まれ、それも作り始める。最終的には、本当に人の気持ちに寄り添うことのできる多くのものが「nichijo」というブランドとして生まれた。
教授・宮崎 光弘
- 作品名nichijo
- 作家名松崎 紋佳
- 素材・技法布、紙、刺繍糸、アクリル、 iMac、ポリエステル不織布、マネキン、Illustrator、Procreate、STUDIO
- サイズH2000×W4300×D700mm
- ジャンルおしゃれを取り入れたカスタマイズ病院着
- 学科・専攻・コース
- カテゴリー
- 担当教員