澤田知子のセルフ・ポートレイトにおけるアイデンティティの考察
齊藤 愛琴
作者によるコメント
本論文では、現代美術作家・澤田知子のセルフ・ポートレイトにおけるアイデンティティについて考察した。前半では「内面化」が利用されている作品の性質に触れつつ、類似した他者の作例と比較することで「外見と内面」の関係が包含している問題の多面性を改めて示し、後半では写真家・松尾阿有子が提示した「先天的・後天的自意識」という概念を基にアイデンティティを四つの要素に分解して論じることから、澤田のセルフ・ポートレイトに関するそのありようを探った。
担当教員によるコメント
現代美術作家、澤田知子は写真を媒体に「セルフ・ポートレート」の多様な表現を追求する。証明写真を無数に並べたような作品もあれば、変身した自身の姿を記念写真のように撮影した作品もある。齊藤さんが注目したのは、澤田のセルフ・ポートレートにおけるアイデンティティの所在である。澤田自身が追い求める「外見と内面」の探求を、多様な作品例を通して詳細に分析。さらに、写真家、松尾阿有子の「先天的・後天的自意識」という概念を援用して考察を進め、「セルフ・ポートレートで設定された「自分」に束縛されずに揺蕩(たゆた)う喜びを享受する」という境地へと思考を深めている。SNSにセルフ・ポートレートがあふれる現代において、示唆に富む論考である。
教授・小川 敦生
- 作品名澤田知子のセルフ・ポートレイトにおけるアイデンティティの考察
- 作家名齊藤 愛琴
- 学科・専攻・コース
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- 担当教員
