2人の間でしかわからない言葉を作る
乙部 さくら
作者によるコメント
身近な人でも、考え方が違ったり、コミュニケーションのすれ違いが生まれることがあります。私はそれを解決することで、コミュニケーションをさらに円滑にしてみることはどうだろうと考えました。その方法として、あなたとその人との 2 人だけの間で通じる言葉を作る、という方法を提案します。私は、相手に母を選びました。母と話すときに、私自身が本音を隠す瞬間があったりと、実の親の前でさえ言葉が出てこなくなる時があることをきっかけに、2人の間ですれ違いが起こっていることを感じました。それを改善する仲介として、2人で言葉を作ることにしました。本では、2人で作った言葉、自分の変化の記録として、言葉を作る前と、作った後の日記などを載せています。
担当教員によるコメント
本作は、「二人だけ」のための深いリサーチと独自のソリューション創出過程を記録している。近い関係で生じる言葉の壁に着目し、二人だけの言語を創造するという斬新な取り組みだ。極めて個人的なテーマでありながら、記録された変化の過程が、コミュニケーションに悩む誰もが共感できる普遍的な問いかけとなっている点が秀逸である。「言葉にできない何か」という現代社会の課題に正面から取り組み、親密な関係における新たなコミュニケーションデザインの可能性を示した意欲作と言える。
(講師・清水 淳子)
講師・清水 淳子、講師・高見 真平
- 作品名2人の間でしかわからない言葉を作る
- 作家名乙部 さくら
- 素材・技法素材=紙(ボール紙、ケント紙、マシュマロ紙、トレーシングペーパー)、木材、 シャギーラグ絨毯、スピーカー/技法=InDesign、Illustrator、Premiere Pro、ibisPaintX
- サイズ全体=H1600×W1600×D560mm
本=H310×W240×D34mm - ジャンルインスタレーション
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