BEMO

新井 夏美

作者によるコメント

車に乗っていると、なぜか素直になれる気がする。同じ景色を共有しているという安心感や、心地よい振動がその理由かもしれない。
ソーシャルネットワークの発達による早期反抗期、共働き世帯の増加による親子時間の減少を背景に、反抗期の子供と多忙な親をつなぐコミュニケーションの仲介役として、移動の枠を超えた親子の絆を育む新たなモビリティを提案する。

担当教員によるコメント

この提案は「子育て」という人生の重要なミッションに将来自分が母親として立ち向かうことを意識して、その時にこんなプロダクトが欲しい!という夢に溢れた提案だと感じる。また現実的なライフスタイルや子供の反抗期なども要素として考え、シートレイアウトや照明などをAIが細かく調整してくれる設定になっていて、子育てを楽観視していないところにも共感できる。作者はこのスタイリングを「モビリティとしての存在感を際立たせながらも、温かみとハートフルさを備えたデザイン」と説明しているが、その対局に位置する「軍用のハンヴィー」を連想させるところもユニークだ。今までの車の既成概念にとらわれない、新しい世代のカースタイリストとしての活躍に期待したい。

教授・田中 秀樹

作品動画