PARAMATE

内田 瑠希也

作者によるコメント

自動運転が普及し移動がエンタメ化した2040年。映画やゲームをして車内を過ごすことが主流になるが、車の本質的な楽しさとはなんだろう。私は「流れるロケーションによって弾む会話」と定義づけた。後部座席にも爽快な眺めを届けることで、大人数での車旅は景観を味わい、共感を楽しむひとときになる。PARAMATEは「楽しいクルマとは」に私が出した答えだ。

担当教員によるコメント

乗り物がどのような基本性能、動力性能を持っているかはどうでも良い時代だ。そんな時代のクルマの魅力とは何か?彼はクルマの外形デザインを新しく定義しようとした。初期のアイディアはもう少しボクシーな形状だったと思うが、それでは「自動運転の広い空間を自由に使ってください」というありがちな提案になってしまい、カースタイリストの存在感が薄れてしまうことに気づき、「クルマの使い方を外観で表現する」ことにトライした答えがこの作品である。ボンネットからルーフにかけて大きく開くハッチは大胆で印象的、シートレイアウトや室内のデザイン表現がもう少し欲しいところだが、フロントハッチから乗り降りするスケッチは魅力的で新しいカテゴリーを感じさせる作品である。

教授・田中 秀樹