バフ粉の可能性を広げる
小澤 遼人
作者によるコメント
東レ株式会社が開発する人工皮革Ultrasuede®︎の製造工程で発生するバフ粉。木を削ると木屑が出るように、Ultrasuede®︎を削ると布屑が出る。それがバフ粉であり、私が扱った素材だ。本研究では、利用価値が非常に低かったバフ粉の可能性を広げるため、他素材との相性や触感、製造工程にも焦点を当て、アイデアベースでバフ粉に価値をつけることに挑戦した。この挑戦が多くのクリエイターの目に留まることを願う。
担当教員によるコメント
東レ株式会社のUltrasuede®︎の製造工程で大量に出るバフ粉という産業廃棄物を価値ある素材として活用するためには、多くのクリエイターが使いたくなる魅力を引き出す必要がある。リサイクルエネルギーやコストも極力抑えなければならない。小澤さんはそのことを十分認識して卒業研究に取り組んだ。
研究過程で作られた大量のサンプルは、視覚的にも触感的にも魅力がある。また、成型や硬度調整の自由度も検証しクリエイターの創作意欲を掻き立てる要件も提示しており、学生作品にありがちな主観的な素材実験とは一線を画している。東レ株式会社も当研究を高く評価し、素材の入手、製造現場の調査などに協力した。大企業が一人の学生のために力を貸すことは異例であり、将来社会実装されることも期待できる卒業研究である。
教授・安次富 隆
- 作品名バフ粉の可能性を広げる
- 作家名小澤 遼人
- 学科・専攻・コース
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- 担当教員