高齢入居者の「まだまだできる」を手助けする
藤浦 巧
作者によるコメント
高齢者施設で暮らす入居者は、自宅で生活していた環境から施設に入る事で生活環境が代わり、塗り絵や書道などを皆で行うといった受け身での生活を送らざるを得ない現状がある。私は、高齢入居者に生活経験を踏まえ共有してもらう事で、受け身な生活から脱却を図り、「まだまだできる」という気持ちを引き出すことを目的とし、実装までを踏まえた卒業研究を行なった。
担当教員によるコメント
高齢者施設の入居者は、人の助けを借りて暮らしている。人に助けてもらうことはありがたい反面、申しわけなさを感じることもあるだろう。藤浦さんはそういう高齢入居者の気持ちに寄り添い、彼らに生きがいを感じてもらう方法を模索した。行き着いたのは入居者が「まだまだできること」を引き出すことだった。施設職員と入居者の共通の趣味や得意をテーマとしたイベントを開催し、与える側から与えられる側へという一方向の関係を、持ちつ持たれつの双方向の関係に転換した点に当研究の新規性がある。藤浦さんが企画した施設のイベントで入居者たちが活き活きとした表情になっていたことが印象深い。研究過程で得た事例や手法をまとめたマニュアルも作成しており、高齢者施設のあり方に変革をもたらす可能性を秘めている。
教授・安次富 隆
- 作品名高齢入居者の「まだまだできる」を手助けする
- 作家名藤浦 巧
- 素材・技法冊子、中綴じ
- サイズH364×W257mm(B4)
- ジャンル取り組みのデザイン
- 学科・専攻・コース
- カテゴリー
- 担当教員