Drawing (receipts)

高橋 咲

作者によるコメント

ゴミになってしまうレシートに絵を描いたこの作品は、私の人生において、描ける場所には絵を描き続けるという意思表明です。一枚一枚のレシートに描かれたイラストレーションは、レシートの持ち主の生活を想像しながら描きました。

担当教員によるコメント

すぐに捨てられがちなレシートにグラフィティを施す行為は、一見すると消費社会への反抗のように映る。しかし、高橋咲の作品は、それだけに留まらない。レシートに刻まれた日常の痕跡をすくい上げ、人々の生活を鮮やかに浮かび上がらせている。イラストレーションの語源である「明るく照らす」という本質を踏まえると、本作は従来のグラフィティとは異なり、身近な素材を通じて世界を捉え直すビジュアルコミュニケーションの形といえる。そして、その表現は鑑賞者との間に豊かな対話を生む。

准教授・高橋 庸平