Rooms
渡邊 柚子
作者によるコメント
コロナ禍で流行した、自分の部屋を自由にカスタマイズしそれを他人と共有するというゲームやアプリがコンセプトの元になっている。それらのコンテンツは、「自分」を、相手と直接会うことなく、紹介、表現するという目的で、素早くビジュアルで相手に伝えることが出来るものであったのでは無いかと感じた。
そこでは、「部屋」という普段は閉じられた空間であるものが、「他者に見せるもの」として元々の「部屋」というものが持っていた性質とは全く別の、「公開するためのもの」として見せられるようになっていた。
相手と対峙することなく相手を知るコロナ禍特有の感覚、その構図が持つ独特の雰囲気を見る人にも感じて欲しいと考えた。
担当教員によるコメント
身近な人々の「部屋」の写真を素材に、日常の風景である部屋をモノトーンの世界へと置き換えることで、その空間に潜む静けさや気配が浮かび上がってくる。
部屋とは本来、個人の内面と深く結びついたプライベートな空間であり、他者の視線から切り離された領域である。しかし、渡辺柚子さんの作品では、そうした内向的な性質に加え、どこか外部に向かってそっと開かれているような、両義的な側面が繊細に描き出されている。見る者は、閉ざされた空間に触れるような感覚と、覗き込むような緊張感のあいだを行き来する。
コロナ禍という特殊な状況下で、人と人との距離感やつながり方は大きく変化した。そうした社会的背景を踏まえつつ、作品に刻まれた生活の痕跡や時間の蓄積は、言葉を持たないままに、その空間に生きる人々の存在をそっと語りかけてくる。
教授・古谷 博子
- 作品名Rooms
- 作家名渡邊 柚子
- 素材・技法素材=いづみ/技法=エッチング、アクアチント
- サイズ270×310×20mm
- 学科・専攻・コース
- カテゴリー
- 担当教員

