void /黒文字

立田 一葉

作者によるコメント

現実の世界から非現実の世界に移動してゆく中で不意に、気が緩み、緊張がほどける瞬間がある。その瞬間、現実の世界に存在する目に見えない自然、空間、光、世界が私たちに実感を与え、癒してくれる。
現実ではないことは確かだが、フィクションの世界でもない、中間地点となる表現を意識した。

担当教員によるコメント

そこに人気(ひとけ)はない。淡々とした風景描写が魅力的な作品である。実際に行ったことのある場所を描いているようだが、なぜそこが良いのか、そこだったのか、本人も確信していないかもしれない。むしろ、何かになっていない、ということが大事なのかもしれない。あるいは良し悪しとは別のところにある何かである。撮った写真を手がかりにするのだろうが、改めて様々な細部が見えてきたであろう。剥がれたテープや手すりや床材や壁パネルの形状など。そして、それぞれの半端な状況や、外なのか中なのか収まりが良いのか良くないのかはっきりしないような構造なども。それらを均等に描こうとしているところに何より好感を覚えた。海面の不思議な形は波で寄せられた木片のようなものらしい。現実と非現実の間で漂っている。

教授・髙柳 恵里

  • 作品名
    void /黒文字
  • 作家名
    立田 一葉
  • 素材・技法
    void= キャンバス、油彩/黒文字=キャンバス、油彩
  • サイズ
    void=H2273×W1818mm/黒文字=H894×W1455mm
  • 学科・専攻・コース
  • 担当教員