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アートとデザインの知の基盤を支える研究拠点『TAUリサーチカウンシル』が発足。


本学は2026年度、研究機能の強化を目指し、その中核を担う「TAUリサーチカウンシル」を設置いたします。 本組織は、本学の擁する美術館、アートアーカイヴセンター、アートとデザインの人類学研究所、そして様々な研究プロジェクトを有機的に接続するプラットフォームです。さらに新たな教員2名を迎え、「新しい時代の美術教育」のあり方を追究し、そこで得られた高度な知見を学生の教育現場へ還元する、循環型の研究・教育体制を構築してまいります。本学の校是である「自由と意力」を現代に息づかせ、既存の枠組みを越えた新たな知の地平を切り拓く―。多摩美術大学は、TAUリサーチカウンシルを通じて、アートとデザインが持つ「未来をひらく力」を社会へ発信していきます。

左から小泉俊己副学長/TAUリサーチカウンシル長、齋藤精一特任教授、倉森京子特任教授、内藤廣学長
カウンシル長メッセージ:
カウンシル長メッセージ:

新たな知の地平へ――多摩美術大学 TAUリサーチカウンシル発足にあたって

2026年4月、多摩美術大学TAUリサーチカウンシルが発足します。
我々は、この新たな場を、本学における研究の基盤をあらためて問い直し、育てていくための出発点と考えています。
いま、美術大学には、文化資源の継承、社会との新たな関係の構築、領域を越えた知の創出、そして未来に向けた価値の再提示が求められています。それは、情報テクノロジーの急速な発展にともない、人間が主体的に感じ、考え、行為することの意味そのものが、あらためて問われる時代にあることとも無関係ではありません。
我々は、アートとデザインを、単なる表現技術や問題解決の手段としてではなく、人間と世界との関わりを問い直す実践として位置づけます。そうした実践は、抽象的な理念や情報の操作に還元されるものではありません。人間が自ら感じ、考え、判断し、世界に触れることのなかでこそ、思考は深まり、新たな視座が生まれます。本学が育もうとする知は、哲学や詩学、批評に連なる思索の営みと深く交差しながらも、感覚や経験を通して自らと世界に向き合うところに、その独自性があります。
本学の校是である「自由と意力」は、ひとつの定義に収まる言葉ではありません。それぞれの問いが生まれ、重なり、ときには衝突し、それでもなお思考と実践が続いていく運動のなかで立ち現れるものです。TAUリサーチカウンシルは、そのような「自由と意力」を、研究・制作・対話・発信を通して、本学の研究と実践のなかで息づかせていく場です。具体的には、美術館、アートアーカイヴセンター、大学史資料室、アートとデザインの人類学研究所をはじめとする本学の研究資源と活動をつなぎ、共同研究、アーカイヴ、展示、出版、教育、国際発信を横断的に結び直し、多摩美術大学ならではの研究基盤を育てていきます。
あらゆる既存の価値観や社会の枠組みそのものを問い直し、新たな関係と価値を構想する力として、アートとデザインにはこれまで以上に大きな役割が託されています。目に見える実利や効率だけでは捉えきれない問いが、あらためて立ち現れています。我々は、アートとデザインが世界の見方を変え、未来の可能性をひらく力を持つと信じています。
本学に流れ続けてきた「自由と意力」を、このTAUリサーチカウンシルを通して、これからの時代にふさわしい研究のかたちとして育みながら、我々はこの領域から新たな知の地平を切り拓いていきたいと考えています。

ひとびと

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