日ひとひ、夜ひとよ
太田 瑠菜
作者によるコメント
地元へ帰るたびに、現実の街は記憶よりわずかに輪郭をずらし、当然のようにあった場所や建物は静かに姿を変えている。そこには、当人にしか触れられない記憶が確かにあった。が、それらは次第に薄れ、やがて意識の手の届かないところへ行ってしまう。私は今までの事象や人、建物などを聖別し、投入することで、私だけの聖地を誕生させて閉じ込めたかった。
担当教員によるコメント
本作品は、作者が生まれ育った静岡の風景と、大学生活を送る現在の環境とを重ね合わせ、記憶と現在が交差する「人生の地図」として描かれている。そこに描かれた風景や動物たちは、それぞれ象徴的な意味を内包し、同様の記憶を持つ鑑賞者に共感や発見をもたらす。時に思わず笑みがこぼれるような、記憶の断片が散りばめられている点も魅力である。本作は約2年の歳月をかけ、少しずつ積み重ねられながら大画面へと展開され、作者・太田さんの歩みと力が結実したひとつの世界として完成した。
講師・陳 芃宇
- 作品名日ひとひ、夜ひとよ
- 作家名太田 瑠菜
- 素材・技法岩絵具、アクリル絵具、透明水彩、胡粉、コーヒー、ビーズ、やすり、銀箔、麻紐、墨、ラワン板、土佐麻紙
- サイズ3683×7002mm
- 学科・専攻・コース
- カテゴリー
- 担当教員
