resonance

岡山 昇平

作者によるコメント

この作品は昨年フランスを訪れた際に、ヴェルサイユ宮殿で目にした風景をもとに制作した作品です。
私はこれまでの制作を通して、人や風景を目的にモチーフを描くことよりも、その空間や物に染み付いた時間や記憶が、空間の中で共鳴し続けている様子を描こうとしてきました。
今回の制作では具象的な描写を用いながらも、長い歴史の中でその場に蓄積された記憶や感情によって、空間そのものが現実とは異なる精神的な領域へと移行し始めているような感覚を意識しています。
その空間に強く引き込まれる自分と、背後に存在する観光客などの現実世界との間に乖離が生じていき、次元がずれていくような感覚になる様子を表現しました。

担当教員によるコメント

金属の硬質な輝きに満ちた冷たい空気が画面を支配し、騎兵隊に漂う時間の層を静かに浮かび上がらせている。精緻な描写力と並外れた集中力によって、静かな緊張感の中に一瞬で終わらない密度を刻んでいる力作である。

教授・千々岩 修

岡山 昇平 《resonance》 | 多摩美術大学