Cocone
辻 菜桜
作者によるコメント
《Cocone》では変わりゆく心の繭、内に響く音を纏い、包み込んで、生まれ続けるわたしのかたちをニットとして表現した。5体全てに和紙の糸を使用している。紙という素材は、“記録するもの”としての意味を持つため、心の揺れや変化を一目一目に記録するように編んだ。色に関しては染色を行わず、糸本来の自然な色味を生かし、飾らない状態のままで揺れや曖昧さを受け入れる姿勢を表現した。
担当教員によるコメント
「内に響く音を纏う」とは静謐な表現である。纏う見えぬ音がどのような響きや感触なのか、その認識を作者と着用者の対話に委ねられている。包み込む象徴として「繭」をモチーフに据え、選び抜いた自然色の和紙の糸で、紙への記録のように一目一目編み、思考や姿勢を刻印した。繊維企業の開発現場に匹敵する膨大な編み地試作と探求心、妥協のない準備姿勢に加え、優れた計画性とバイタリティーが結実した見事なデザインプロセスであった。レース編みの緻密な設計による一着は、表現を根源まで研ぎ澄ませ、編みを纏う美しさに徹することでプロをも唸らせる完成度に達した。素材から製品までを一貫してデザインする「ものづくりの真髄」を体現し、圧倒的な熱量が生んだ説得力ある作品である。
教授・平塚 聖子
- 作品名Cocone
- 作家名辻 菜桜
- 素材・技法素材=紙、絹、ポリエステル、綿、レーヨン/技法=機械編
- サイズ点数:5点
- 学科・専攻・コース
- カテゴリー
- 担当教員






