あのね

森岡 千夏

作者によるコメント

「あのね」「そういえばね」「なんかさ」「   」

何気ない会話や頭の中で生まれた言葉たちは、はっきりとした姿を残さないまま消えていきます。
それらは文字と記号の間を漂っているようでした。
そんなあいまいな言葉たちの姿をそうぞうしました。

担当教員によるコメント

情報コミュニケーションの日常に、もはやビジュアルは欠かすことは出来ない。映像のインフラ化と言っても過言ではない。それらは常に更新を強いられ変容の速さに価値が置かれる。ライトで平坦、あるいは空虚なインパクトの画一化ばかりだ。
「記録に残らず消えていく話し言葉を脳裏に浮かぶひらがなで形にしていく」という森岡千夏の独自な創造世界は、そんな現状へのアンチテーゼに満ち溢れている。時の微睡みであるとか、染み入る温もりであるとか、妖艶な浮遊感であるとか、品性であるとか…。余白を思う存分に活かした繊細極まるビジュアルブックと、形態とマチエルにこだわりぬいたひらがな達のモビールが生み出すエンターテイメントは見る側の深層に響く。一長一短では絶対に手に入れることの出来ない〝美の支柱〟が森岡には確実に存在する。とても贅沢な表現者なのだ。

教授・澤田 泰廣

  • 作品名
    あのね
  • 作家名
    森岡 千夏
  • 素材・技法
    素材=スタイロフォーム、ジェッソ、ペーパーペースト、針金、竹串、マーメイド(水彩画用紙)、純白ロール紙、色鉛筆、透明水彩絵の具/アプリケーション=Illustrator、Photoshop、InDesign
  • サイズ
    モビール=H100×W100×D100mm(46点)/本=H728×W1030mm(46ページ)
  • ジャンル
    クリエーション
  • 学科・専攻・コース
  • 担当教員
森岡 千夏 《あのね》 | 多摩美術大学