Everybody's Coming To My Town
古山 蓮
作者によるコメント
幼い頃からずっと、他人が作った作品を心の支えにして育ってきた。
映画であったり音楽であったりその媒体は様々であるが、いずれにおいても登場人物とともにその背景となる世界が描かれる。なぜこれらの作品がこうも心に響くのか、作品の背景となる街を研究し製作することで、作品、また自分自身への理解を深めた。
これらの作品から抽出した情報をもとに製作したのは壁一面の大きな街と冊子形態の小さな街。
印刷には更紙とリソグラフを用い、作品の世界と自分の世界が重なる状態を多色刷りで表現した。またこれらを用いることで、対象作品のチープで低解像度な世界観の再現を目指した。
担当教員によるコメント
小説や漫画や歌詞や、さまざまな物語から連想した町をひとつの町として描いている。作者はこの作品に3年生のときから取り組んでおり、描き方や色の工夫などさまざまな試行錯誤を経て、最終的に手描きイラストを更紙にリソグラフ印刷という形に着地した。描かれた物語の数は46にのぼるが、それぞれのタイトルは目立たないように紙の隅っこに書かれているだけだ。プレゼンテーションのとき、彼女はこう言った。「何度も描き直すうちに、物語の町は自分のイメージの町になっていった。誰にでも帰るところがあるとすれば、自分が帰るべき場所はこの町だ」。彼女は作品タイトルを「Everybody’s Coming To My Town」とつけた。その種明かしはやめておく。
教授・永原 康史
- 作品名Everybody's Coming To My Town
- 作家名古山 蓮
- 作品情報立体、冊子
技法・素材:更紙、リソグラフ、木材、麻紐、Illustrator
サイズ:立体=H2100×W7100×D70mm/冊子=H128×W105mm - 学科・専攻・コース
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