あの場所
白鳥 友里恵
担当教員によるコメント
茶室のにじり口のような小さな入り口をくぐって行くと閉鎖された窮屈な空間を体験させられる。閉鎖空間による苦痛な体験が恐怖と危険を感じさせる。その後、突然視界が広がり枯山水の世界が展開され快い開放感を享受することができる。しかし、どこかおもむきが異なっている。白砂や小石の代わりに米が使われているのだ。白鳥は米をアイデンティティと捉え、これまでも何度か作品に登場させてきた。また、室内から庭を見ると緩やかな境界が成立していることに気付く。「あの場所」と題された巨大な作品は未知の恐ろしい場所またはユートピアを指し示しているのだろうか。閉鎖空間による恐怖体験、そこから解放された時の心身の歓喜体験から崇高の疑似体験装置のようにも思えてくる。
教授・木嶋 正吾
- 作品名あの場所
- 作家名白鳥 友里恵
- 作品情報技法・素材:米、木材、スタイロフォーム
寸法:H450×W400×D240cm - 学科・専攻・コース
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