このプロジェクトについて
本プロジェクトは2021年度−2025年度科研費国際共同研究強化(B)「台湾の文様デザインアーカイヴの創造―アジアの少数民族文化の固有性の記録」により実施しました。17の台湾原住民が継承してきた伝統的な装飾文様をリサーチし文様収集しながら、固有の文化について理解を深めるとともに、原住民アーティストやデザイナーと対話を深めながら、文様が内包する意義について探求しました。私たちと同じように台湾原住民に関する研究を実践してきた輔仁大学織品服装系とも連携しながら合同の展覧会を実現することができました。
研究メンバー
研究代表者:深津裕子(2021-2024多摩美術大学美術学部リベラルアーツセンター教授、2025年度生産デザイン学科テキスタイルデザイン教授)
研究分担者:佐々木成明(多摩美術大学美術学部情報デザイン学科メディア芸術コース教授)、港千尋(多摩美術大学美術学部情報デザイン学科メディア芸術コース教授)、ヲノサトル(多摩美術大学美術学部リベラルアーツセンター教授)、陳芃宇(多摩美術大学美術学部絵画学科日本画専攻講師)、JANGBitna(2021-2024年度多摩美術大学美術学部工芸学科助手、2025年度多摩美術大学特別研究員)、伊藤俊治(東京藝術大学名誉教授)、勝又公仁彦(京都造形芸術大学教授)、村尾静二(清泉大学講師)
台湾側協力者:張森洋(亜細亜大学講師)、 Christopher Z. PINTO(輔仁大学織品服装系講師)、何兆華(輔仁大学織品服装系学院長)、王淑宣(輔仁大学織品服装系助教授)
活動歴
2025.05.29〜.6.5 日本サイト研究成果報告展「台湾現代文様芸術」展/開会式・アーティストトーク・文様ワークショップ開催
2025.04.1〜 「ISSUES文様から学ぶアジアの装飾芸術」開講(共通教育科目)
2025.05.29 「台湾現代文様芸術」展のアーティストトーク映像を初上映
2025.03.19〜24 台湾サイト研究成果報告展「台湾現代文様芸術」展開催/開会式・アーティストトーク・公開授業・ギャラリートーク開催
2025.03.19
文様記録映像
台湾文様2022 台湾の文様デザインアーカイヴの創造 —— アジアの少数民族文化の固有性の記録1
台湾文様2023 台湾の文様デザインアーカイヴの創造 —— アジアの少数民族文化の固有性の記録2
文様アプリ Symmetry Sketch ver.0.6.0
台湾原住民の特徴的な文様を抽出し、さまざまな文様に展開できるようなアプリケーションSymmetry Sketch ver.0.6.0を開発しました。
論文
深津裕子・陳芃宇・港千尋・佐々木成明・ヲノサトル「台湾文様アーカイヴの創造―ブヌン・ツォウの後述記録」『多摩美術大学研究紀要第39号』135-157(2024)
展覧会記録
日本と台湾で研究成果報告展を開催
本研究成果を基に展覧会を企画し、台湾(輔仁大学織品服装系ギャラリー)と日本(多摩美術大学八王子キャンパスアートテークギャラリー)で展覧会を開催して公開しました。輔仁大学は台湾新北市に所在するカトリック系総合大学で、我々の研究協力者でもあり多摩美術大学で博士号を取得したChristopherZ.PINTOがプリントテキスタイルデザインの講師を務める大学でもあります。本研究に着手した2022年から輔仁大学とは学術交流をはじめ、互いの台湾原住民研究を合同発表するまでに至りました。展覧会は、(1)台湾原住民アーティストと本研究メンバー作品、(2)収集した文様のマトリックス、(3)台湾原住民の文様映像アーカイヴ作品、(4)多摩美術大学と輔仁大学の学生が制作した新しい文様作品、(5)輔仁大学織品服装学院が実践してきたタイヤル織物の工芸復興と人材育成プロジェクトの成果で構成し、学術研究と地域研究及び教育普及に貢献しました。来場者は台湾展で500名、日本展で588名を数えました。