I am MOJI MACHINE

原田 知可子

作者によるコメント

私にとって文字とは、心がうふふとなるものです。
雨の日のじめじめした満員電車でも、車窓から見える景色の中に自分の心をくすぐる看板の文字を見つけると、たちまち心は元気になります。
そんな「うふふ」な文字をつくるために、佐藤雅彦氏の「作り方が新しければ、自ずとできたものは新しい」という考え方を参考にし、自らを「MOJI MACHINE」と名付け、7つの作り方を通して文字を制作しました。

担当教員によるコメント

本作で制作された文字たちは、偶然の中に秩序を見つけた時の喜びを呼び起こす。私たちは、壁のひび、重なった影、偶然置かれた物の配置に、ふと文字のようなパターンを見つけ出すことがある。何かを伝えるために作られたわけではないのに、私たちはそこに「読む」感覚を見出してしまう。作者の原田が自らを「文字マシーン」と名付けたのは、文字を機能から解き放ち、目で遊ぶ運動に徹するための宣言だったのではないだろうか。1年間の身体的な実践の末、原田の生み出した文字たちは意味や役割から離れ、偶然を固めた知覚の痕跡として現れた。それは膨大な情報にさらされる私たちの目では見過ごされがちな、奇跡のような風景なのである。

講師・清水 淳子

原田 知可子 《I am MOJI MACHINE》 | 多摩美術大学