日本橋ごよみ

間 由衣

作者によるコメント

日本橋横に日本文化を味わう商業施設と日本橋に住む住民が集う公共施設との複合施設を提案する。この施設から日本橋ならではの逸品、美味しい処、行事やお祭り、そこに暮らす人々の想いなどを届けたい。

担当教員によるコメント

「和服をより身近に」を初期のテーマとして、日本橋界隈の現状リサーチから始め、店舗販売という商業的な役割以上の施設を目指している。細長い敷地に一枚の大屋根がかけられた開放的な二層構造となっており、スロープによって内外を緩やかなアンジュレーションで繋いでいる。都心では土地の効率的利用から多層階にせざるを得ないのが現実的ではあるが、西洋的建築が垂直方向に構成されるのに対して、日本的建築が水平方向、平面的に構成されていたことを考えると、今回の立地条件も含めこういった提案が実現してくれたらと思う。ただ古いものが淘汰されるのではなく、今日的解釈が必要とされていることを投げかけ、現実路線では打開策にならないことを考えさせてくれる作品である。

准教授・米谷 ひろし