共通テストのみ入試
共通テストⅡ方式とは
従来からあるデッサンなどの実技試験を課す方式とは別に設けた入試制度のことで、共通テストの指定した科目のみで合否判定するものです。高い思考力と表現意欲を持った生徒が実際にこの方式で受験し、入学後に多彩な活躍をみせています。
実技経験の有無にかかわらず、思考する力と表現への意欲を備えた人を歓迎します。
2027年度入学試験では以下の6学科・専攻・コースで共通テストのみの入試(共通テストⅡ方式)を実施
実施学科の概要と主な就職実績
募集人員:2名
学びの領域:プロダクトデザイン(製品デザイン/サービスデザイン/UXデザイン/アドバンスドデザイン)
【主な就職実績】
パナソニック/日立製作所/富士フイルム/本田技術研究所/SUBARU/スズキ/サントリーホールディングス/湖池屋/資生堂クリエイティブなど
募集人員:15名
学びの領域:建築デザイン/インテリアデザイン/ランドスケープデザイン/空間デザイン/ディスプレイデザイン/都市環境
【主な就職実績】
住友林業/飯田産業/一条工務店/積水ハウス/大成建設/ジェイアール東日本商業開発/劇団四季/乃村工藝社/三井デザインテック/船場など
募集人員:10名
学びの領域:インタラクションデザイン/ビジュアルプログラミング/インフォグラフィックス/ウェブデザイン/映像/電子工作/UX/UIデザイン/サービスデザイン/ソーシャルデザイン
【主な就職実績】
任天堂/コーエーテクモゲームス/リクルート/TOPPANホールディングス/東北新社/朝日新聞社/日立製作所など
募集人員:18名
学びの領域:コミュニケーションからモノ作りにいたるデザインスキル とイノベーティブな思考や発想力を統合的に学ぶ
【主な就職実績】
アクセンチュア/リクルート/NEC/電通/TBWA HAKUHODO/コクヨ/資生堂クリエイティブ/文藝春秋など
募集人員:3名
学びの領域:舞台美術/映像美術/照明/衣裳
【主な就職実績】
劇団四季/東宝舞台/宝塚舞台/TBSアクト/テレビ朝日クリエイト/日本テレビアート/松竹衣裳/東京舞台照明/昭栄美術/日本ステージなど
- 主な就職実績は2023年度、2024年度卒業生の実績です。
- 出願にあたっては、必ず各入試の当該年度の学生募集要項を確認してください。
受験者出身高校
過去3年間の共通テストのみ入試の受験者出身高校(一部抜粋)
【北海道・東北】帯広柏葉、函館ラ・サール、盛岡第一、宮城第一、福島成蹊、磐城【関東】S、竹園、水戸第一、江戸川学園取手、石橋、作新学院、宇都宮中央、高崎、高崎女子、前橋女子、城北埼玉、大宮開成、浦和(県立)、山村学園、開智、東邦大学付属東邦、芝浦工業大学柏、千葉東、西、武蔵野北、女子学院、桐朋女子、筑波大学附属、九段、駒込、品川女子学院高等部、町田、桐蔭学園、横須賀(県立)、鎌倉、神奈川大学付属、横浜平沼、相模原弥栄、山手学院、神奈川総合、川和、小田原、洗足学園、フェリス女学院、大船【中部】新潟、長岡大手、高岡、富山中部、富山、山梨学院、甲陵、松本県ヶ丘、ID学園、松本深志、浜松日体、名古屋大学教育学部付属、海陽、昭和、旭丘【近畿】桑名、四日市、東大津、東山、洛星、関西学院千里国際高等部、開明、四天王寺、甲陽学院、灘、奈良【中国・四国】岡山白陵、岡山大安寺、岡山朝日、基町、広島、広島なぎさ、慶進、精華学園、観音寺第一、高松、小豆島中央、土佐【九州】九州産業大学附属九州、筑紫丘、福岡大学付属大濠、上智福岡、青雲、長崎東、佐世保北、宇土、大分上野丘、日向学院、宮崎大宮、ラ・サール、甲南、れいめい、N
受験した学生の声

国公立大学やトップ私大進学を考えていたが、高2でデザインにも興味がわいた
――高松高等学校 井上 実柚さん (2022年 プロダクトデザイン専攻 入学)
進学校だったので国公立大学やトップ私大を目指す人が多く、何となく国公立を中心に受験を考えていました。文系で国際系に興味がありました。高2になってデザインにも興味が出て先生に相談したところ、すぐに美術予備校に通ったほうがいいと言われ夏休みから画塾に通い始めました。進路を決めかねて大学について調べていると、多摩美に実技試験がなく共通テストだけの入試があると知りました。実技には自信がなかったので、これならチャレンジできると、高2の冬にようやく進路を決定できました。入学後、表現の力では、なかなか上の方には行けませんでしたが、デジタルデザインや機構に関しての理解など、それまでの勉強の蓄積を生かすことができて、引けを取らずに課題を楽しむことができました。2年の時に、アメリカへの海外短期留学「パシフィックリム」に行くことができ、身に付けていた英語の力も試せて、多摩美に入ってよかったと思いました。

理学部を目指し受験勉強をしていた時、父から美大受験を勧められて調べてみた
――北野高等学校 和田 紘希さん (2023年 プロダクトデザイン専攻 入学)
高校の時、部活で部長を務めていたのですが、高3になる春休みにイベントの企画やビジュアルデザインなどを部長として一人で手がけました。楽しそうにしている姿を見た父が、美大を受験してみたらと薦めてくれました。それまでは、国立の難関校にチャレンジするつもりで、理学部受験のための勉強をしていました。進学校だからと目指していたんですが、本当にやりたいことって何なのかということを自問自答して、美大に至りました。すでに5月、準備が間に合うかと思ってたところ、共通テストだけで受けられる入試があると知り、オープンキャンパスに足を運んでみて、ここだと決めました。最初は、表現するうえで技術面の差があるのが非常に不安でした。デッサンは全く未経験でしたが、実技で入った友人たちから色々教えてもらったりして基礎中の基礎はクリアできました。表現力の差は自分の得意な思考力やアイデアでカバーできるので、不安は払拭できました。

入学前は実技に不安はあったが、スタートが一緒だし指導もあったので問題なかった
――桐朋高等学校 沖山 侑太郎さん (2022年 建築・環境デザイン学科 入学)
もともと総合大学の建築学科の受験を考えていました。自分のやりたい建築は手先の感覚から自分の考えなどをより身近に感じながら、人に寄り添った形で具体的に意匠的な面から建築に取り組みたいという気持ちがずっとありました。そういう面から大学を見たときに、美大が一番近いと思い受験を考えるようになりました。意匠を学びたくて、構造の美しい建築もあるんですが、デザインなどにそこで過ごす人の気持ちを考えた感情が現れた建築が好きで、そういう建築をめざして学んでいきたいと考えています。入る前は実技の受験を通ってきた人たちと一緒で、自分は絵を描けるのかな、デザインはできるのかなという漠然とした不安がありました。入ってみたら意外とデザインは皆が一律に初めて手掛ける状況だし、デッサンもトレーニングを通してかなり細かいところから教えてもらえたりしたので問題ありませんでした。

工学系の建築に行くつもりで受験の準備、高3の夏にこの入試を知りチャレンジ
――女子学院高等学校 冨澤 久美子さん (2023年 建築・環境デザイン学科 入学)
父も兄も建築家、その影響で物心ついたときから、建築家になるんだと決めていました。最初は当たり前の様に工学系の建築に行くつもりで受験の準備をしていました。小さいころから絵を描くのが好きで、高校の美術の時間がすごく好きで、自分にとって絵を描いているときが自分が楽しい時間ではありました。美大の建築も知ってはいたのですが、画塾に通ってまで行くほどではないと思っていました。そんな中、高3の夏に共通テストのみで受験できることを知り、選択肢の一つにしておこうと思いました。最終的に、合格した大学を並べてみて、自分が本当に行きたいのはどこだろうと思った時に、美大の建築になりました。美大という他の学科のデザインやアートを学ぶ人たちがいる環境の中で建築を学べるのは、工学系にはないすごく意義のあることだと思いました。

実技入試、共通テストのみ入試、それぞれの強みを生かして取り組める環境がある
――ラ・サール高等学校 岩本 真央さん (2023年 情報デザインコース 入学)
進路を考え始めた高校2年の時、漠然とものづくりがしたいと考えて、一般大学の建築を目指そうと思っていました。高2も終わりに近づくころ、現代アートなどを見たりして様々なものから刺激を受ける中で、何かが違うと思い始め、自分がしたいことができるのは、美大かもしれないと思うようになりました。教育実習で母校に戻ってきた先輩の姿を見て「美大って楽しそうだな」と思っていたので、志望校に選ぶことに全く不安はありませんでした。大学に入学してからも、総合型選抜で入った人、実技試験で入った人、共通テストのみで入った人、それぞれの強みを生かした形で課題に取り組める環境があるので、とても楽しくやらせてもらっています。今はプログラミングの授業が楽しくてしょうがないのですが、課題として出された機能を使えば何をやっても構わなっかったりするので、楽しみながら課題に取り組んでいます。

周りに流されず、自分が本当に学びたいことから進路を探して多摩美にたどり着いた
――宮城県仙台第二高等学校 小泉 起行さん (2021年 情報デザインコース 入学)
メディアアートに興味があったものの、周りは国公立大や旧帝大を目指すような環境だったので、私も漠然と国立大の情報系学部を志望していました。でもそうした大学のカリキュラムを見てAIが学べるなどと知っても興味が湧かず、入学後に自分が何をやりたいのか見えてこなかったんです。そこで大学名や学部名ではなく、本当に学びたいと思っていた「プロジェクションマッピング」などのキーワードで検索したところ多摩美がヒットしました。もともと高2の時にオープンキャンパスで訪れて雰囲気の良い大学だと感じていましたが、デッサンの勉強はほとんどやった事がなく、実技なしで受験できると知ってチャレンジすることにしました。私は映像系に興味がありますが、友人はUI/UXだったり、ずっと絵を描いている人もいます。ここには興味も将来の進路もバラバラな人たちが集まっていて、まるでサラダボウルのようなんです。オープンキャンパスの学年リーダーなどをやって、興味の異なるメンバーの適材適所を考えるようなチームプロデュースに自分の志向があるんじゃないかと気づきました。やりたかったプロジェクションマッピングはもちろん、コミュニティデザインにも興味が湧いて、やりたいことだらけの大学生活を送っています。

高2で美術に興味がわいたものの、美大の実技の対策ができず諦めていた
――横浜翠嵐高等学校 瀬戸 栞さん (2022年 芸術学科 入学)
高1の頃は、両親が早稲田の法学部出身なので、なんとなく自分も早稲田の法学部を目指そうかなと思っていました。高2で世界史の授業を取ったときに、資料集にある絵画「フラゴナールのブランコ」に一目ぼれしてしまい、歴史としての美術に大変興味を持つようになりました。もともと小さいころから自分で絵を描くのが好きだったこともあって、美大を意識するようになりました。ですが、普通の大学の進学を考えていて、受験のための実技の対策などができていなかったので、美大進学はあきらめていました。美術史に興味があるので文学部を目指そうと調べている中、多摩美の芸術学科が共通テストだけで受験できることを知りました。やりたかった美術史を学べるし、共通テストは受ける予定だったので受験することにしました。一般の大学の芸術学科などと違って実技を学べるのも魅力で、油画、彫刻、映像、写真など思った以上にできたのが良かったです。

共通テストが近づいたとき、母が共通テストだけで受けられる入試を見つけてくれた
――逗子開成高等学校 佐藤 怜さん (2022年 統合デザイン学科 入学)
理系の工学部の大学を目指していました。共通テストが近づくと、母が共通テストだけで受けられる多摩美の入試を見つけ、受験してみたらどうかと勧めてくれました。夏休み直前、そこから美術予備校などに通って一般選抜を受ける手もありましたが、デッサン経験はなく、特に色彩構成に関しては皆目見当がつかなかったので、共通テストのみの受験を選びました。工学部のある大学も合格しましたが、多摩美を選びました。入学してからの描写の授業は、共通テストのみの入学者にも配慮された形になっていたし、デザインの授業でも実技試験で入ったて来た学生に対して、自分の強みを出せる場もあり、臆することなく楽しく学んでいます。実技での受験の経験がある人よりも自由な発想で制作できるメリットも感じています。プロダクトデザインの分野に進みたいと思っていますが、工学部系の大学よりも幅広い選択肢があり、多摩美にしてよかったと思っているところです。

理系の中でクリエイティブなことを探 していた中、共通テストのみ入試を知る
――浅野高等学校 野澤 遥歩さん (2022年 統合デザイン学科 入学)
高1の秋冬頃からは、一般大学の名門校を目指していこうと考え、特に理系の中でクリエイティブなことをできるのは何かと調べていたら、建築に行きつきました。美術部にも入ったことはあり、絵やデザインに興味はありましたが、美大は進路として全く考えていませんでした。3年生になり建築系の大学の出願準備を着々としていました。共通テストが近づくと、母から共通テストだけで受けられる多摩美の建築・環境デザインの受験を進められ、合わせて統合デザインも受けてみることにしました。第一志望には縁がなかったものの、合格している建築や土木系の大学が本当に自分のやりたいことなのか改めて考えたときに、統合デザイン学科の方が近いのではないかと考え入学を決めました。入学してからは、描写の授業では苦労しましたが、インターフェースやプロダクトの授業は自分の力を発揮しやすく、視野を広げられとても楽しく、統合にしてよかったと思っています。
デッサンなし入試で入学した卒業生の声
- デッサンの代わりに数学を選択する入試(2001年度まで情報デザイン学科で実施)

論理的思考を備えたデザイナーは最強
どんどん活躍の場が増える
化学系の大学を目指していましたが、浪人中に多摩美の情報デザインを知り、これからはインターネット時代であることと、センター試験で数学を選択すればデッサン試験が不要なことから興味を持ちました。入学当初は、絵が得意な人たちの中で浮くんじゃないかと不安でした。でも、パソコン知識など自分の得意分野を重宝がられ、結果的には今でもみな深く、仲良く、交流が続いています。プログラミングなど抵抗感なく学べましたし、絵が描けない弱みはコンピューターでフォローできたので、強みをより強みとすることができました。先生に言われた「外見がよくても使いにくかったらゴミだ」という言葉が、今UIデザイナーとして製品づくりをする上での基本姿勢となっています。現在、病院の技師やラボの研究者が使用する機器の、操作部のデザインをしていますが、私たちは“感覚的にかっこいいもの”を作ることだけを求められているのではありません。使われている状況を踏まえたユーザー分析から本質的な課題を探り、アイデアを論理的に整理して“真に使えるデザイン”を目指しています。それを実践する過程で、美大で得たモノ作りの考え方と数学的思考の両方が必要になってきます。だから今私は、理系の人にこそ美大を薦めたいですね。社会では論理的思考が養われている人が強みになる。それを活かしてデザインスキルを積めば最強です。論理的思考を備えたデザイナーは、今後どんどん活躍の場が増えていくでしょう。

今後のカギとなるのがUXデザイン
得意な数学を生かし新たな価値をデザインする
映像に興味があり理工系を考えていました。ですが、将来の仕事を具体的に考えた時に、美大という選択肢があること、センター試験の利用が可能であることを知って、数学が得意だった僕はここだと思ったのです。情報デザインは数学的要素が必要な上ロジカルな考え方が求められるところが僕には合っていました。現在UI/UXデザイナーとして、車内のディスプレイの表示(GUI)やその操作に関わる部分を担当していますが、今後のカギとなるのがこのUX。自動運転が主流になった時、車の存在自体が大きく変わります。ユーザーに車内でのどんな体験を提案するかを考え、新たな価値を提供することが私たちの使命なのです。どう答えを導き出すか、そのプロセスはまさに多摩美で学んだこと。IT最先端のシリコンバレーでは、このプロセスはデザイン思考と呼ばれ、世界的にも重要視されていますが、多摩美でこの訓練を普通に行っていたなんて、今更ながら驚いています。





